ロジクールのフラッグシップマウス「MX Master」シリーズが、約6年ぶりのフルモデルチェンジで第4世代に進化しました。最大の目玉は触覚フィードバック(ハプティクス)とActions Ringの組み合わせ。親指エリアに新設されたセンスパネルを押すと画面上にリング状メニューが現れ、指先の振動で操作を確認できる仕組みです。
実際にPhotoshopやExcelで使ってみると、右手だけで複雑なショートカットを即座に呼び出せる快適さに驚きます。価格は19,900円と前モデルMX Master 3Sの発売時16,940円から約3,000円アップしています。クリエイティブ作業が多い方にはコスパの良い投資になりますが、Web閲覧中心なら3Sで十分とも言えます。
- MX Master 4の主要スペックと前モデル3Sとの違い
- Actions Ringの設定方法と対応アプリ一覧
- 触覚フィードバックの使い心地と実用性
- 用途別・価格帯別の選び方ガイド
- 競合マウス(Razer Pro Click V2・Apple Magic Mouse)との比較
MX Master 4 vs 3S スペック比較表で違いを一目で把握
まずはMX Master 4とMX Master 3Sのスペックを並べて確認します。数字の差を押さえておくと、後述の機能解説がより理解しやすくなります。
| 項目 | MX Master 4 | MX Master 3S |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 19,900円 | 16,940円(発売時) |
| 重さ | 150g | 141g |
| サイズ(高さ) | 128mm | 124.9mm |
| センサー | 8,000 DPI | 8,000 DPI |
| 触覚フィードバック | 搭載(ハプティクスエンジン) | なし |
| Actions Ring | 触覚連動・8ショートカット | なし |
| MagSpeedホイール | 搭載(改良版) | 搭載 |
| バッテリー | USB-C充電・最大70日 | USB-C充電・最大70日 |
| 接続 | Bluetooth + Logi Bolt | Bluetooth + Logi Bolt |
| マルチデバイス | 最大3台 | 最大3台 |
| 再生素材使用率 | 48〜54% | 27% |
| 保証 | 2年間 | 2年間 |
重さは141gから150gへ約9g増加していますが、実際に握った感覚ではほぼ気にならないレベルです。ハプティクスエンジンと大容量バッテリーが重量増の主因と見られます。センサー解像度は据え置きの8,000 DPIで、トラッキング精度に関しては3Sと同等の水準を維持しています。
Actions Ringと触覚フィードバック 新機能の実力を検証

MX Master 4の最大の進化ポイントが、親指エリアに新設された触覚フィードバック センスパネルです。パネルを押すと画面上に8つのショートカットがリング状に表示され、カーソルを合わせるたびに指先に微細な振動が伝わります。視覚と触覚の両方で「今どの操作を選んでいるか」を確認できるため、画面から目を離しがちな作業でもミスが減ります。
対応アプリと設定方法
Actions Ringの設定は専用アプリLogi Options+から行います。2026年7月時点で以下のアプリにプリセットが用意されています。
- Adobe Photoshop: 取り消し・ブラシ切り替え・ズーム・レイヤー操作
- Adobe Premiere Pro: タイムラインのスクラブ・カット・マーカー設置
- Adobe Illustrator / Lightroom: ペンツール切替・現像スライダー
- Microsoft Excel: コピー・貼り付け・セルの書式設定・フィルター
- Microsoft Word / PowerPoint: 書式コピー・スライド複製
- Figma: コンポーネント作成・フレーム切替
- Final Cut Pro / Slack: タイムライン移動・ステータス変更
プリセットがないアプリでも、Logi Options+上で任意のキーボードショートカットやマクロを8枠に登録できます。例えばVS Codeで「ターミナル切替」「Go to Definition」「デバッグ開始」を割り当てるとコーディング効率が格段に上がります。
触覚フィードバックの使い心地
振動の強さは3段階で調整可能です。デフォルトの「中」で十分に認識でき、「強」にすると会議中に振動音が聞こえる場合があるため注意が必要です。実際に1週間ほど使い込むと、Actions Ringを目視せずに目当ての操作を選べるようになり、作業スピードが体感で15〜20%向上したと感じる場面がありました。
一方で注意点もあります。Actions RingとMX Console(旧Options上のカスタマイズ機能)は排他的に動作するため、両方を同時に有効にはできません。MX Consoleで細かいジェスチャー設定を多用しているユーザーは、Actions Ringへの移行時に設定の棚卸しが必要になります。購入前に知っておかないと「思っていたのと違う」と後悔するポイントです。
使用シーン別おすすめと価格帯別の選び方

MX Masterシリーズは用途によって最適なモデルが異なります。使用シーン別の選び方と、予算に応じた選択肢を整理しました。
| 使用シーン | おすすめモデル | 価格帯 | 理由 |
|---|---|---|---|
| クリエイティブ作業(Photoshop/Premiere等) | MX Master 4(約19,900円) | 2万円前後 | Actions Ringの恩恵が最大 |
| オフィスワーク(Excel/Word中心) | MX Master 3S(約14,000円・実売) | 1.5万円前後 | 基本機能で十分。コスパ優先 |
| モバイルワーク・出張 | MX Anywhere 3S(約12,000円) | 1.2万円前後 | コンパクト・軽量99g |
| 予算重視・エントリー | M750(約6,000円) | 6千円前後 | 静音クリック・マルチデバイス対応 |
中古やフリマアプリではMX Master 3Sが8,000〜10,000円で出回っていますが、バッテリーの劣化度が判断しにくいため注意が必要です。特に2年以上経過した個体はバッテリー容量が70〜80%に低下している可能性があり、公称70日のスタミナが50日程度に短縮されるケースもあります。型落ちモデルを狙うなら、Amazon認定整備済み品やロジクール公式アウトレットを利用すると保証付きで安心です。
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競合マウスとの比較 Razer Pro Click V2・Apple Magic Mouse

MX Master 4の競合となるハイエンドマウス2製品と比較してみます。
| 項目 | MX Master 4 | Razer Pro Click V2 | Apple Magic Mouse |
|---|---|---|---|
| 価格 | 19,900円 | 約17,000円 | 13,800円 |
| 重さ | 150g | 112g | 99g |
| センサー | 8,000 DPI | 30,000 DPI | 非公表 |
| 触覚フィードバック | あり | なし | なし |
| エルゴノミクス | 高(傾斜型) | 高(傾斜型) | 低(フラット) |
| 充電方法 | USB-C(上面) | USB-C(前面) | Lightning(底面) |
| マルチデバイス | 3台 | 4台 | 1台 |
| 保証 | 2年 | 2年 | 1年 |
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Razer Pro Click V2は30,000 DPIの高精度センサーを搭載しつつ112gという軽さが魅力ですが、Actions Ringのようなショートカット拡張機能は搭載していません。Apple Magic Mouseはジェスチャー操作が便利な一方、充電中に使えない底面Lightning端子が依然として弱点です。
マルチOS環境(WindowsとMacの併用)で使うならMX Master 4の3台マルチデバイスが最も実用的です。Razerも4台接続可能ですが、Mac用ドライバの安定性ではロジクールに一日の長があります。
結局どのマウスを選べばいい?用途別の最終結論
ここまでの比較を踏まえ、用途別に最終的なおすすめを整理しました。
- Adobe製品・Figmaを毎日使うクリエイター → MX Master 4(約19,900円)一択。Actions Ringの生産性向上が価格差を十分に正当化します
- Excelやビジネスアプリが中心のオフィスワーカー → MX Master 3S(実売約14,000円)がコスパ最良。触覚フィードバックなしでも基本操作は快適です
- 出張が多く軽さ重視 → MX Anywhere 3S(約12,000円)。99gの軽量ボディとガラス面対応センサーが出先で活躍します
- Mac専用で使いたい → Magic Mouse(13,800円)も選択肢になりますが、長時間使用にはエルゴノミクス面でMX Masterが有利です
- 初めてのハイエンドマウス → M750(約6,000円)で半年試し、物足りなければMX Master 4にステップアップする流れがおすすめです
マウスは毎日何時間も触れるデバイスです。実際に量販店で握り比べてフィット感を確かめてから購入すると、後悔のない選択になるでしょう。初めてのロジクール製品として購入し、Logi Options+のカスタマイズに慣れてくると「キーボードに手を伸ばす回数が減った」と実感する場面が増えてきます。
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よくある質問
Q. MX Master 4はゲーミング用途に使えますか?
FPSなど高速な反応速度が求められるゲームには向いていません。ポーリングレートが125Hzと低く、ゲーミングマウスの1,000〜4,000Hzと比べて入力遅延が大きくなります。RPGやシミュレーションゲームなど、精密な操作速度を求めないジャンルであれば問題なく使えます。
Q. Actions Ringは左利きでも使えますか?
MX Master 4は右手専用の形状のため、左利きの方にはフィットしません。ロジクールの左手用マウスとしてはMX Anywhereシリーズ(左右対称デザイン)が選択肢になりますが、Actions Ringは搭載されていません。
Q. iPadやChromebookでも使えますか?
Bluetooth接続であればiPadOS・ChromeOSでもポインティングデバイスとして使用可能です。ただしLogi Options+がインストールできないため、Actions Ringやカスタムボタン設定は利用できません。基本的なカーソル操作とスクロールのみになります。
Q. バッテリーはどのくらい持ちますか?
公称で最大70日間です。触覚フィードバックをオンにした状態でも約50日は持つとされています。USB-C充電は上面端子のため、充電しながらの使用も可能です。1分の急速充電で約3時間使用できるため、朝の支度中に充電すれば1日分は確保できます。
Q. MX Master 3Sの方が軽いですが、4は疲れませんか?
9gの差(141g vs 150g)は実際に握り比べてもほぼ体感できないレベルです。重さよりもエルゴノミクス形状のフィット感の方が疲労度に大きく影響するため、量販店で実物を試すのがおすすめです。
Q. Logi Boltレシーバーは付属しますか?
MX Master 4にはLogi Boltレシーバーは付属しません。Bluetooth接続が標準で、Logi Bolt接続を使いたい場合は別売レシーバー(約1,650円)を購入する必要があります。デスクトップPCでBluetooth環境がない場合は追加コストが発生する点に注意してください。
自分に合ったマウスで作業効率を引き上げよう
MX Master 4は「ショートカット操作を右手だけで完結させたい」というクリエイター・ビジネスユーザーに向けた、明確なターゲットを持つ製品です。19,900円という価格は決して安くありませんが、Actions Ringによる作業効率の向上を時給換算すると、数週間で元が取れるケースも少なくないでしょう。
一方で、シンプルなクリックとスクロールが中心の使い方であれば、3Sや他社の軽量マウスの方がコストパフォーマンスに優れます。自分の作業スタイルを棚卸しした上で、最適な一台を選んでみてください。

