上海から成都へ国内線で移動しようとした日、保安検査でモバイルバッテリーを取り上げられた――中国旅行の口コミでは、こうした声が2025年夏以降にぐっと増えました。原因はバッテリーの性能ではなく、本体に「3C」マークが印字されていなかったことです。
中国民用航空局は2025年6月28日から、3C認証のないモバイルバッテリーを国内線へ持ち込むことを禁止しました。さらに日本でも2026年4月24日から機内のモバイルバッテリー使用が全面禁止となり、持ち込みは1人2個までに制限されています。旅先で困らないためには、両方のルールを押さえたうえで1台を選ぶ必要があります。
この記事でわかること
- 3C認証とは何か、日本のPSEマークとの違い
- 本体のどこを見れば3Cマークの有無を判断できるか
- 日本で買える3C認証モバイルバッテリーの価格帯別おすすめと比較表
- 2026年4月から変わった日本の機内ルールとの両立のさせ方
- 没収された人の失敗談と、出発前にやっておくべき準備
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3C認証モバイルバッテリーとは?中国国内線ルールの中身
3C(CCC)はChina Compulsory Certificationの略で、中国の強制製品認証を指します。日本で販売される電気製品に必要なPSEマークの中国版と考えるとイメージしやすいでしょう。PSEマークが付いていても、3Cマークがなければ中国国内線では持ち込みが認められません。
持ち込みできないモバイルバッテリーの3条件
- 3C認証マークがないもの
- 3Cマークが不明瞭なもの(擦れて読めない、シールがはがれている等)
- リコール対象の型番・ロット(3Cマークがあっても不可)
手荷物として持ち込めないだけでなく、預け荷物にもリチウムイオン電池は入れられません。つまり条件に合わないバッテリーは、その場で放棄するしかなくなります。
日中間の国際線はどうなる?
現時点では、日本と中国を結ぶ国際線や香港・マカオ行きの便は3C規制の対象外とされています。ただし、中国国内で乗り継ぎをする旅程や、到着後に国内線へ乗り換える旅程では3Cマークが必須になります。北京経由で西安へ、上海経由で桂林へ、といった移動を予定している場合は特に注意が必要です。
なお、2027年3月以降に発売される新製品には追跡用QRコードの表示が追加される予定と報じられています。ルールは段階的に変わっているため、出発前に利用航空会社の案内ページで最新情報を確認しておくと安心です。
3Cマークの見方と、買う前に確認したいポイント

3Cマークは、アルファベットの「C」を3つ組み合わせたロゴです。多くの製品では本体の裏面か側面に、容量やPSEマークと一緒に印字されています。
チェックは「本体の印字」が基本
見落としやすいのが、商品ページに「3C対応」と書かれていても本体にマークがないケースです。検査官が見るのは本体そのものなので、箱やパッケージだけにマークがある製品、商品名にだけ「3C」と入っている製品は持ち込めない可能性があります。購入前に、商品画像で本体の裏面ラベルを拡大して確認しておきましょう。
容量はWh(ワット時)に換算して確認
航空会社のルールはmAhではなくWhで決まります。計算式は「mAh × 3.7V ÷ 1,000」が目安です。
| 容量(mAh) | Wh換算の目安 | 日本の航空会社 | 中国国内線 |
|---|---|---|---|
| 5,000mAh | 約18.5Wh | 持ち込み可(2個まで) | 3Cマーク必須 |
| 10,000mAh | 約37Wh | 持ち込み可(2個まで) | 3Cマーク必須 |
| 20,000mAh | 約74Wh | 持ち込み可(2個まで) | 3Cマーク必須 |
| 27,000mAh | 約100Wh | 100Whを超えると要承認 | 3Cマーク必須 |
旅行用途なら10,000mAh前後が扱いやすい容量です。スマホ(約3,000〜5,000mAh)を2回ほど充電でき、重さも200g前後に収まります。
日本で買える3C認証モバイルバッテリー比較と価格帯別おすすめ

主要6機種の比較表
日本国内の通販サイトで購入でき、本体に3Cマークの印字が確認されている主なモデルをまとめました。価格は2026年11月時点の通販実売価格の目安です。
| メーカー・型番 | 容量 | 特徴 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| HIDISC CCC認証モデル | 5,000mAh | 軽量・最安クラス | 約1,300円 |
| Belkin BPB011 | 10,000mAh | 最大15W・3ポート同時充電 | 約2,300円 |
| Belkin BPB021 | 10,000mAh | ケーブル内蔵 | 約2,800円 |
| ラスタバナナ R3CLI100C20W05 | 10,000mAh | 最大20W | 約4,000円 |
| エレコム DE-C79-10000 | 10,000mAh | 巻取式ケーブル | 約6,000円 |
| Belkin BPB020 | 20,000mAh | 大容量・長期旅行向け | 販売店で要確認 |
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同じシリーズでも製造時期によって印字が異なる可能性があるため、届いた時点で本体の3Cマークを必ず目で確認してください。
2,000円以下:短期の出張や予備用に
HIDISC CCC認証モデル(約1,300円)は5,000mAhと容量は控えめですが、スマホ1回分の充電には十分です。メインのバッテリーとは別に「中国国内線用の予備」として1台持つ使い方に向いています。
2,000〜4,000円:迷ったらこの価格帯
Belkin BPB011(約2,300円)は、3C認証モバイルバッテリーの定番として長く選ばれているモデルです。USB-C×1とUSB-A×2の3ポートで、スマホとワイヤレスイヤホンを同時に充電できます。ケーブルを忘れがちな人は、ケーブル内蔵のBelkin BPB021(約2,800円)を選ぶと荷物が1つ減ります。
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4,000円以上:充電速度やケーブル管理を重視
最大20W出力のラスタバナナ R3CLI100C20W05(約4,000円)は、iPhoneを短時間で急速充電したい人向けです。巻取式ケーブル付きのエレコム DE-C79-10000(約6,000円)は、カバンの中でケーブルが絡まるストレスから解放されます。
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結局どれを買えばいいか(用途別の最終結論)
- 初めての中国旅行・3〜5日程度 → Belkin BPB011
- 荷物を減らしたい → Belkin BPB021(ケーブル内蔵)
- 地図アプリやQR決済を一日中使う → 10,000mAh×2台、または20,000mAh×1台
- 年に数回の出張 → 普段使いのバッテリーとは別に3C認証品を「中国専用」として常備
中国ではAlipayやWeChat Payなどのスマホ決済が日常的に使われており、スマホの電池切れは移動・食事・支払いのすべてに影響します。容量は少し余裕を持たせておくのが安全です。
没収されやすい失敗パターンと注意点

失敗談1:「3C対応」の商品名を信じて買った
通販サイトの商品名に「3C認証」と入っていたのに、本体には印字がなく没収された、という報告があります。本体の写真で印字を確認できない商品は避けるのが確実です。
失敗談2:マークが擦れて読めなかった
何年も使ったバッテリーは、ラベルが擦れて印字がかすれていることがあります。マークが不明瞭な場合も没収対象になるため、古い個体は買い替えを検討しましょう。
失敗談3:リコール対象の型番だった
3Cマークがあっても、リコール対象の型番は持ち込めません。実際に、リコールが出たメーカーの製品が空港で厳しくチェックされたという報告もあります。手持ちのバッテリーの型番を、メーカー公式のリコール情報ページで照合しておくと安心です。
メリットとデメリットを整理
| メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|
| 中国国内線でも没収されにくい | 選べる機種が少なく、高出力モデルは限られる |
| 2,000円台から購入できる | 日本向けの最新モデルに比べると出力は控えめ |
| 日本国内でもPSE付きで普通に使える | 製造時期によって印字の有無が変わることがある |
2026年4月から変わった日本の機内ルールとの両立
中国の3Cルールに加えて、日本発着便では2026年4月24日から新しいルールが適用されています。国内線・国際線を問わず対象です。
- 持ち込みは1人2個まで(160Wh以下に限る)
- 機内でのモバイルバッテリーの使用は禁止
- 機内でモバイルバッテリー本体を充電することも禁止
- 違反すると航空法に基づく罰則の対象になる可能性があります
つまり「機内で充電しながら移動する」という使い方はできなくなりました。成田から上海まで約3時間半のフライト中はスマホを機内モードにして電池を温存し、到着後にバッテリーで充電する流れを想定しておきましょう。2個までの制限があるため、3C認証品を2台持つか、3C認証品1台+日本用1台の組み合わせにすると、日本と中国の両方のルールに対応できます。
寿命・保証・中古品のチェックポイントと出発前の準備
寿命の目安と壊れやすいポイント
リチウムイオン電池は、一般的に充放電300〜500回で容量が新品時の約70〜80%まで低下すると言われています。毎日使えば1年半〜2年が交換の目安です。本体が膨らんできた、充電中に異常に熱くなる、といった症状が出たら使用を中止してください。USB端子のぐらつきも故障につながりやすい部分です。
保証期間の比較
Belkinやエレコムなど大手メーカーは、正規販売店で購入すれば保証が受けられます。保証期間はモデルや販売店で異なるため、購入時にレシートや注文履歴を保存し、保証書の記載を確認しておきましょう。並行輸入品や出品者不明の格安品は、保証対象外になることがあります。
中古・フリマ品は避けたほうが無難
中古品は充放電回数がわからず、ラベルの擦れやリコール該当の有無も判断しにくいため、旅行用としてはおすすめしにくい選択肢です。数千円で新品が手に入るので、中国旅行用は新品を選ぶほうが結果的に安心です。
一緒に用意すると便利なアクセサリ
- USB-Cケーブル(1m前後):ケーブル非内蔵モデルを選ぶなら必須
- 耐火ポーチ:万一の発熱時に被害を広げにくくする
- USB急速充電器(PD対応20W以上):ホテルで短時間に満充電できる
耐火バッグ 耐火ケース【高評価★4.53】 モバイルバッテリーケース 耐火ポーチ 1200℃耐熱 JIS耐火試験済 難燃糸採用 防火バッグ リチウムイオン電池 発火対策 防災グッズ アンダル andall
1,379円 (税込)
エレコム株式会社USB-C(TM) to Lightningケーブル(スタンダード) 1.0m 1個【RCP】(メール便のお届けは発送から10日前後が目安です)
1,680円 (税込)
中国のコンセントはA型・C型・O型などが混在しますが、多くのホテルでは日本のA型プラグがそのまま使えるマルチ対応コンセントが設置されています。ただし念のため変換プラグを1つ入れておくと安心です。
出発前のセットアップ手順
- 届いたら本体の3Cマークを目視で確認し、スマホで撮影しておく
- 型番をメーカーのリコール情報と照合する
- 一度満充電してから実際にスマホを充電し、動作を確認する
- 出発前日に再度満充電し、手荷物(機内持ち込み側)に入れる
保安検査でマークの位置をすぐ示せるよう、撮影した写真を手元に置いておくとやり取りがスムーズになります。
よくある質問
Q1. PSEマークがあれば中国国内線に持ち込めますか?
持ち込めません。PSEは日本の基準で、中国国内線では3Cマークの有無が判断基準になります。両方のマークが付いた製品を選びましょう。
Q2. 日本から上海への直行便だけなら3C認証は不要ですか?
現時点では、日中間の国際線は3C規制の対象外とされています。ただし帰国便の空港でもモバイルバッテリーの確認が行われることがあり、中国国内線に乗る予定が少しでもあれば3C認証品を選ぶほうが安全です。
Q3. 3Cマークのシールを後から貼れば大丈夫ですか?
大丈夫ではありません。認証を受けていない製品にマークを貼っても認証品にはならず、不明瞭なマークは没収対象です。
Q4. 20,000mAhのモバイルバッテリーは持ち込めますか?
約74Whなので、日本の航空会社のルール上は持ち込めます。中国国内線では3Cマークがあることが条件です。重さは400g前後になるため、荷物の量と相談して選びましょう。
Q5. 没収されそうになったら預け荷物に移せますか?
移せません。モバイルバッテリーは預け荷物に入れることが禁止されています。その場で放棄することになるため、事前の確認が欠かせません。
Q6. 中国の現地で3C認証品を買うのはありですか?
現地のコンビニや家電量販店では3C認証品が手に入ります。ただし日本のPSEマークがない製品は、帰国後に日本国内で販売・譲渡できず、品質面の不安も残ります。出発前に日本で用意しておくのが無難です。
中国旅行の前に、3Cマーク付きの1台を準備しておこう
中国国内線では本体に3Cマークがあるか、日本の航空会社では2個まで・機内使用禁止という2つのルールを押さえておけば、空港で慌てる心配はほとんどなくなります。迷ったらBelkin BPB011(約2,300円)を1台、荷物を減らしたいならBelkin BPB021(約2,800円)を選ぶのが手堅い組み合わせです。届いたら本体の印字を確認し、写真を撮ってから旅の荷物に加えておきましょう。
あわせて、発火しにくいモバイルバッテリーの選び方や超小型モバイルバッテリーのおすすめもチェックしておくと、日本国内用の1台選びにも役立ちます。

